川井: |
Railsを選ばれたのにはどういう経緯があったのですか?
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橋本: |
前回のリニューアルの時にRailsを見つけてきて、やはり素早い開発ができるんじゃないかという点で使いたいと思っていました。外注でサービスを作っていただいていた時に、どうしても意識のずれがあるところのひとつが、アジャイル開発と伝統的な開発の方法だったんですよ。それで説得しようとするときに、アジャイル開発というのを自分でもっと理解しないといけないと思って、勉強をしたり色々討論もして、理想的なアジャイル開発はこういうものだ、という思いだけがあったんですね。それを実現する方法を考えた時に、Railsは本当にアジャイルになりそうだというのがわかったんです。
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川井: |
なるほど。
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橋本: |
ただ当時はまだβ版だったし、エンジニアは自分一人という状況でリニューアルまでこぎ着けないな、とわかったのでその時は選ばなかったんです。だけど、あの時自分が選ばなかった技術がそれからじわじわと流行ってくるわけじゃないですか(笑)
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川井: |
そうですね(笑)気になりますよね。
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橋本: |
それでタイミングを計っていました。リニューアルの方は、広告事業が伸びてきたこともありまして、料理が楽しくなるような会社という広告事業をしっかり作っていこうという方に労力をかけていたんですけれども、だんだんまたサービスの方に移れるというフェーズになってきたときに、ColdFusionで行くのか、思い切ってRailsで行くのかということを考えました。Railsを選ばない場合はどうなるかなということを考えてみたときに、Railsみたいな、自分たちが持っている技術よりもアジャイルな開発ができる集団がクックパッドを作ったらどうなんるんだろう、なんていうことを考えて。それは全然だめじゃんと思いました。それよりは、自分たちがナンバーワンだと思える技術を使い続けなければいけないなということを考えたんです。でもやっぱり前回うまくいかなかったので、「本当に大丈夫かな」と思っていた時に、食べログさんがRailsでリニューアル成功したということを聞きまして、「やった、すごい」と思ってすぐに食べログさんのところにお話を伺いに行きました。「実際どうやってうまくいったのか」とか「クックパッドでやるとしたらどうだと思う?」みたいなことを聞いて、そこで「Railsでいけそうだ」と思いました。
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川井: |
なるほど。
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橋本: |
食べログさんもうまくいくという感覚をつかんでいるし、話を聞く限りはこれなら自分たちもいけるんじゃないか、という風に思えたんです。それで社内に戻って「Railsで行くぞ」と言ったときに、エンジニアの方が逆に「え〜!?本気ですか!?」っていう反応になってしまってたんですけど(笑)
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川井: |
(笑)
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橋本: |
でも「よく考えてよ。本当にRailsじゃなくていいの?」という風に説得して、「半年くらいかかるとは思うけどやっていこう」と話して決まったんです。
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川井: |
食べログさんの事例が後押しになったんですね。
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橋本: |
なりましたね。
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川井: |
あれのリニューアルも大きかったですもんね。でも社内でのRailsの技術者の育成もけっこう大変だったんじゃないですか。
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橋本: |
最初は、育成というか、まず自分を育成しないといけないという状況でした(笑)でも突然「Railsで行こう」と決めたというわけではないんです。その半年前くらいに社内の新規事業でBtoBのデータ提供サービスみたいなものを作ることになって、「どうせならRailsで作っちゃおうよ」ということでエンジニアの一人が受け持つことになったんです。だから彼がどちらかというと一から勉強して、本当にアジャイルな開発がRailsならできるのかどうかという検証も含めて作り込んでいって、それがきちんと完成できたので、ある程度の規模のものは作れるようだというのはつかんでいました。
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川井: |
なるほど。じゃあそんなに大きなトラブルもなくリニューアルにこぎつけたという感じですか?
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橋本: |
そうですね。そうは言ってもリニューアルはけっこう大変でしたけど(笑)開発自体も新しいものですし、社内にすごく経験の長い人がいるわけでもないので、わからないことだらけのまま進めていく感じでした。でもやっぱり作っていくと、実際に使われるものを作るのでだんだん作れるようになってきたんですね。問題はどちらかというと、前回の約5倍の450万人という規模のリニューアルということで、そのシステムづくりのほうが大変でした。
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川井: |
トラフィックが多いのでそれに耐えられるかということですか?
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橋本: |
そうですね。どうやって耐えさせるかということですね。
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川井: |
そのあたりって一番不安視されているところだと思うんですけれども、もう問題ないということですか?
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橋本: |
はい、問題ないですね。やっぱりRailsでやろうと決めた時に一番そこが気になったんですよ。Railsは遅いと言われていて、ColdFusionはJavaなので早いといえば早いんです。Railsにして何倍か遅くなったりしないかという心配はありました。でもやっぱり、遅いのはデータベースだよねという話になって、データベースの遅さとかディスクI/Oの遅さに比べたらRailsの遅さなんて大したことはないんじゃないか?ということは最初から思っていました。実際に今やっていても、思ったより遅いかなっていうのはあるんですけど(笑)、でもRailsがボトルネックになるわけではないんですよ。
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川井: |
なるほど。クックパッドさんはすごい成功事例として挙げられますね。
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橋本: |
そうですね。
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川井: |
食べログさんに続く大きなリニューアルでしたよね。
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橋本: |
ただリニューアルも割と進んできた頃に、Railsで作られている「Twitter」がけっこう大変らしいよ、という話になって、「Twitter」のページビューはどれくらいなんだろう、とAlexa(アレクサ※全世界のWebサイトの訪問状況を調べ、訪問者数の多いページをランキングする事業を行っているサイト)で調べてみたら「あれ、クックパッドの方が多い」ということがわかって青ざめたりしましたね(笑)
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川井: |
(笑)
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橋本: |
あんな大変そうなところよりも多いトラフィックをさばかなければならないのかと。
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川井: |
瞬間が多そうですもんね。Matzさんとかは「Twitterがちゃんと動いてる」ということをRubyがスケーラビリティ的なパフォーマンスにおいて問題ない事例としてあげてますよね。
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橋本: |
そうなんですよね。今、Alexaで見るとクックパッドは7位なんですけれど、その上位7サイトのページビューをランキングにして見るとクックパッドは世界3位なんですよ。
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川井: |
すごいですね。
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橋本: |
はい(笑)なので、トラフィックという意味では3位くらいの規模のものがRailsで動いているということです。捌けています。
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川井: |
なるほど。そういえば、うちの会社でRailsセミナーをずっとやってるんですよ。
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橋本: |
そうですよね。
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川井: |
Railsをいかに商用化するかということをテーマにこの1年はやっていまして、おそらくさっきの話は色んな方が聞きたい話だと思いますね。
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橋本: |
リニューアルが成功するまでは、あんまり話すこともないだろうなと思ってたんですけど(笑)今ならある程度話せることもあるかと思います。
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川井: |
では、是非ともセミナーの開催をお願いします!
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