それはとある卸売業者さんのとこで、受発注管理システムを手がけた時の話。主には、「なにをやるにも伝票伝票伝票伝票…って、そんなん書くのも管理も大変なんじゃー!!」という部分を、コンピュータ処理に置き換えてくださいなという仕事でした。
そんなわけでありし日の私は、お客さんのとこに言って、色々ヒアリングしてきたんです。要求定義という奴ですよ。
「で、月の集計ですけどもね」とお客さん。
「はい」
「ウチは20日が締め日なので、そこで集計を出すようにお願いね」
「はい、わかりました」
今回の仕事は、とある会計システムをベースに用いたカスタマイズ案件ということになります。ベースのソフトにはまだあまり精通できてないですけども、さらりと見た感じはテーブル仕様の中に「締め日」ってな単語もあったような気がする。
「んじゃ、そこに『締め日は20日』ってデータ入れときゃいいんだな、多分な」
そんなことを考えながら、ガタゴト電車に揺られて、私は社に戻ったのでありました。
さて、それから1カ月ほどが過ぎ、データベースやら画面まわりやらの設計がほぼ終わりました。細かい機能の詰めはまだ残ってますが、とりあえずはこれでプロトタイプもできたので、お客さんと打ち合わせだ…ということになったのです。 あ、プロトタイプっつってもあれですよ、単に画面遷移だけが動くようにしたハリボテのデモ版なんですけどね。
そもそも、普通に過ごしてたら出てこないですよね「締め日」なんて言葉。なんか仕事の時だけはやたらと聞くんですけど、なんなんすかこれ。